Viva!ピアノライフ

All About ピアノガイド北條聡子のブログ

選曲のヒント

「次は何の曲を弾こうかな?」と、いろいろな曲を聞いたり迷ったりしている時間って、なんだかわくわくしませんか?

でも、自分で決めるとどうしても好みのタイプ・作曲家の曲に偏ってしまいがち。

それも悪くはないけれど、食わず嫌いと同じで、「弾かず嫌い」「聞かず嫌い」ということも結構あるものです。あまり好きでない曲でも、自分で弾いてみると意外にハマったり、聞いてるだけではわからなかった曲の魅力を見出したりすることもあります。

そこで、曲を選ぶ際に参考にして欲しいポイントをまとめてみました。

選曲の際の5つのポイント

  1. 聞いて選ぶのではなく必ず楽譜を見る
  2. 譜面が難しそうというだけであきらめない
  3. 知らない作曲家や曲をたくさん聞いてみる
  4. テーマを決めて選ぶ範囲を絞り込む
  5. テンポの速い曲をあきらめない

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それでは、ひとつずつ簡単に説明しましょう。

1.必ず楽譜を見てみる

聞いただけで「難しそう」とあきらめないで必ず楽譜を見てみること。難しそうに聞こえても、譜面を見たら思ったよりずっとシンプルで弾きやすかった、ということがよくあります。

2.譜面が難しそうに見えてもあきらめない

譜面を見て、例えば「オクターブが多いから無理。」「トリルが出てくるから大変そう。」など、自分の苦手な音型が出てくると尻込みしたくなりますが、それで弾きたい曲をあきらめてしまうのは勿体ないです。まずはトライしてみること!それでどうしても弾けないようなら、オクターブは上(または下)の音だけ、トリルは単音で、など弾きやすいように工夫してみましょう。

3.知らない作曲家や曲をたくさん聞いてみる

いろいろな作曲家のいろいろな曲を貪欲に聞いてみましょう!有名でない作品の中にも魅力的な曲はたくさんありますし、いろいろなタイプの曲を聞くことで、自分の好みもはっきりしてきて、感性にピンっと響く曲に巡り合うはずです。

4.テーマを決めるのも一つの方法

世の中には数えきれないほどの作曲家や作品があふれていて、目移りしてしまって決められない!と行き詰ったら、テーマを決めて範囲を絞り込むのもひとつの方法です。

私の生徒さんに「今年は○○を弾く年」というように、一年単位でひとりの作曲家をピックアップし、その作曲家の作品だけ集中して取り組むという方法でレパートリーを増やしているかたがいらっしゃいます。

そうすることで、じっくり時間をかけてその作曲家特有の音楽表現をマスターしたり、知識を深めたりすることができるのでとても良いアイデアだと思います。

5.テンポの速い曲をあきらめない

プロが弾いた演奏を聴いて「あんなに速く弾けないからこの曲は無理。」とあきらめてしまうこと、ありませんか?速くて自分には弾けないと思っても、好きな曲であればとにかくチャレンジしてみて欲しいと思います。

曲を仕上げていくうえで、その曲にふさわしいテンポで弾くことはもちろん大切ですが、それが”すべて”ではありません!

たとえば、軽快なテンポで有名なショパンの「子犬のワルツ」。プロのように速く弾けなくても、音量やタッチを工夫することで、エレガントで軽やかなワルツに仕上げることができます。

どんなにテンポの速い曲でも、作曲家がその曲で表現したかったことは「どれだけ速く指を動かせるか」ではないはず。そう考えると、テンポだけであきらめてしまうのは勿体ないですね。