剥がれるヤマハの鍵盤!海外でも被害が。
3ヶ月ほど前、以前私が投稿した「剥がれる鍵盤!ヤマハのプライドはどこへ?」を読んだイタリア在住のかたからメールをいただきました。
イタリアで購入したヤマハのピアノの鍵盤が次々と剥がれ、驚いていろいろと調べていくなかで私のブログに辿り着いたということ。
そのかたのピアノの状況がこちら。
全音域に渡って剥がれています。
イタリアの購入店に連絡したところ、剥がれた鍵盤を貼るだけの対応と言われたそうで、私がブログに書いた生徒さんのケース「新品鍵盤との交換」と対応が違うことに納得できず情報を求めて連絡をくださったのでした。
下手に糊付けして修理の障害になってもいけないということで、完全に剥がれてしまった鍵盤はテープを丸めたもので貼り付け、剥がれそうな鍵盤はそのままで恐る恐る練習されているとのこと。
私の生徒さんの場合は、購入店に連絡して2~3週間後に新品の鍵盤に無償で付け替えられたので、同じように新品の鍵盤との交換を求めて、イタリアの調律師さんを通してヤマハに交渉しているとのことでしたが、なかなか良い返事が来ないというメールを頂きました。
いろいろ調べていくうちに、海外だから鍵盤を貼りつけるだけの対応ということではなく、ヤマハが日本の販売店や調律師に通達しているリコール対象ピアノに対する対応はそもそも『新品鍵盤との交換』ではなく、『剥がれた鍵盤部分だけを取り外し、掛川工場で貼り直して戻す』という内容だということがわかりました。
ヤマハはこの問題を公表していないので、販売店や調律師、お客のクレームの度合いによって対応に違いがある可能性があります。
===イタリアでのケース:その後===
粘り強く「新品鍵盤に交換」を交渉した結果、日本から新品の鍵盤が送られてきて無事に交換が済んだとご連絡を頂きました。
とりあえず本来あるべき姿のピアノに戻りよかったですが、メールには『リコール対象品番であることを知らせることなく販売し、不具合がばれたら修理する…… ばれなければそれでよし。とする経営方針には疑問を抱かざるにはいられません。』と書かれていました。
私もまったく同じ意見です。
ヤマハは日本を代表するブランド。
音楽を愛し、ヤマハを信じて楽器を選んだ人にもっと誠実に向き合って欲しいと思います。
この件について調べているなかで、ヤマハが公表していないリコール機種の一覧表を手に入れることができました。
今回被害にあわれたイタリアのかたからも「他の方達には購入後このような後悔をしてほしくありません。安い買い物ではありません。購入後、責任をもって修理出来る環境にない海外にまで、この問題のピアノは販売されています。こちらのブログで注意喚起し、できれば購入前にたくさんの方に読んでいただきたいです。」というお言葉を頂戴しました。
私のブログでどのぐらい役に立てるかはわかりませんが、別タイトル(記事)でリコール対象ピアノの製造番号一覧表をアップしたいと思います。
ただしそれは「リコール対象となっているピアノを買わないほうがいい。」ということではありません。
鍵盤が剥がれる可能性があること、そして剥がれてしまった場合には無償で修理を受けられることを承知し、理解したうえで購入するのであれば何の問題もありません。
問題は、リコール対象品番であることを知らされずにヤマハを信頼してピアノを購入して被害にあった人が出ていることです。