ピアノで奏でる「絆」
今日は「KIZUNA PIANO」というプロジェクトをご紹介します。
KIZUNA PIANO プロジェクトとは
異なる文化や価値観、極端な愛国心による「分断」の風が吹くなか、突然世界を襲ったコロナの猛威。このような時だからこそ、言葉や人種の壁を越え、音楽を起点とした「絆のリレー」をスタートさせたいという思いから、作曲家 岩代太郎さんが立ち上げたプロジェクトです。
10名の作曲家がリレー形式で作曲
岩代太郎さん他、坂本龍一、小曽根真、萩野清子、榊原大、塩谷哲、渋谷慶一郎、狭間美帆、藤倉大、村松崇継 (敬称略) の9名の作曲家が「KIZUNA PIANO」というタイトルのピアノ曲をリレー形式で作曲しました。
楽譜の収益金の一部はNGO「国境なき医師団」に寄付されます。
「KIZUNA PIANO」を弾いてみて
プロジェクトのサイトで、ピアニスト三舩優子さんによる模範演奏を聞くことができますが、実際に私も弾いてみました。
譜面は、最初の3ページぐらいは初心者レベルですし、全体的にみても中級レベルで決して複雑ではありませんが、「聞かせる演奏」として自然な流れに仕上げるにはちょっと難しいと感じました。
10ページの長さの曲なので、想像するに1人1ページという分担で作曲したのではと思うのですが、どの部分を誰がつくったかは開示しておらず、それも含めて想像しながら弾いたり聴いたりして楽しんで欲しいということ。
前半の5ページは、リレー作曲したことを感じさせないほど自然な流れなのに対し、後半は荒波にのまれるがごとく目まぐるしくリズムパターンも曲調も変わるので、それを説得力のある表現でつなげて最後の一音までもっていくのが、譜面の印象以上に難易度が高いと感じました。
リレー作曲の面白さ
リレー作曲したことがわからない、自然な流れで仕上げられている前半がいいのか、個性がハッキリ主張され変化に富んだ後半のほうがいいのか?
あえてリレー形式で作曲した作品としては、演奏者にはチャレンジではあるけれど、個々の作曲家の個性が際立つ後半のほうが面白いのかもしれません。
皆さんはどのように感じるでしょうか?是非聴いて、そして弾いてみてください。