Viva!ピアノライフ

All About ピアノガイド北條聡子のブログ

「さよならドビュッシー」を読む、観る

本屋さんで目にするたびに気になっていた「さよならドビュッシー」というタイトルの文庫本。「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した中山七里さんの作品です。

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あらすじはこちら。

ピアニストを目指す遥、16歳。祖父と従姉妹とともに火事に遭い、ひとりだけ生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負う。それでもピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する。

(「さよならドビュッシー」背表紙より)


『ピアニストからも絶賛!ドビュッシーの調べにのせて贈る音楽ミステリー。』というキャッチコピーに惹かれつつも、どうせドビュッシーをネタにした薄っぺらい内容なのでは?という思いもあり、なかなか本を買って読むに至らず……。それが今回ドラマ化されると知り、それなら原作を読んでから観てみよう!とついに読む気になりました。

もともとミステリーは大好きで、アガサ・クリスティーの大ファン!「この人が犯人なのでは?」と自分なりに推理しながら読み進んでいき、最後にどんでん返しで「え~、まさか!あの人が犯人だったの??」という展開が好きです。

そういう意味で「さよならドビュッシー」は、一回読み始めたらなかなか止められないほど面白いミステリーだったかというと、残念ながら私にとっては期待外れでしたが、演奏に関する概念や曲についての描写、ピアニストの心理についてはびっくりするほど的を得た内容で、作者ご自身がプロのピアニストなのではと思ってしまうほど!特に、主人公の少女がコンクールで演奏している最中の”心の声”は、曲の進行と絶妙にマッチしていて説得力があります。まるで自分が弾いているかのようにドキドキしてしまいました。これがドラマではどのように表現されているのか観るのが楽しみです。

「さよならドビュッシー」は、明日の夜9時から金曜ロードショーで放送されます。

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