Viva!ピアノライフ

All About ピアノガイド北條聡子のブログ

音楽の表現とは?

All Aboutに、ピアノ演奏の音量に関する記事を2本アップしました。

表現力豊かな演奏をするには、楽譜に書かれたさまざまな用語や記号をどのように演奏のなかに反映していくかが大きなポイント! しかし、以前「表現力豊かな演奏」という意味がよくわからない。具体的にはどういうことなのかと聞かれたことがあります。なんとなくわかっているようでも、同じような疑問を抱いているかたは意外に多いかもしれません。その時、とっさに思いついたのが次のような例え話でした。

同じセリフを、名優と呼ばれる役者さんと、演技をしたことがない素人に言ってもらったとします。そして、どちらも間違えずに言えたとします。でも、聞こえてくるセリフはまったく違って聞こえるはず。では具体的にどこがどのように違うかというと、名優と言われる役者さんは、声色・声の大きさ・抑揚・間の取り方など、さまざまな要素を巧みに操り、セリフの内容にふさわしい説得力のある表現ができる。一方、素人は表現をつけようとして大袈裟になりすぎたり、逆にただセリフを読むだけで、無表情な一本調子になってしまう。

音楽も、ひとつずつの音色や大きさ、メロディーの抑揚のつけ方やフレーズの間の取り方などをしっかり考えて上手に操ることで、表情豊かな演奏に仕上がります。なんとなく楽譜に書かれたことを弾いているだけでは、表現が曲の内容とマッチせずに説得力のない演奏になったり、表現しているつもりでも平坦に聞こえたり、曖昧でつまらない演奏になってしまいます。

ただし、「表現する」ということを考える以前に、自分がその曲をどのように弾きたいかイメージがわかなければ表現することは出来ません! 曲のイメージについては「ピアノで同じ楽譜を弾いても演奏に違いが出る理由 」という記事の後半で少し触れているので、よかったら参考にしてみてください。

具体的にどのようにすれば表情豊かな演奏ができるようになるのかを、文章だけでお伝えするのには限界がありますが、今後しばらく「表現力を高める」ということにフォーカスをおいた記事を続けていきたいと思っています。少しでも表現力アップのお役に立てればいいのですが……♪