Viva!ピアノライフ

All About ピアノガイド北條聡子のブログ

演奏が変わる!鍵盤からの指の離し方

ピアノを教え始めて30年以上経ちますが、いまだに「こういう時はこのように注意してあげると効果がでる!」とか「こういう表現で説明すると伝わりやすい!」といった気づきや発見があります。

弾けないで苦労していた生徒さんが、私のひとことでスッと弾けるようになったり、表現がしっくりきて喜んで下さると、心の中で密かに「今のは最高にいいアドバイスだった!」と自画自賛して嬉しくなります。

最近、私が一番効果を実感したアドバイスは「鍵盤をどのように弾くかではなく、鍵盤からどのように指を離すか(上げるか)意識する」ということです。

f:id:aobapiano:20190812234232j:plain

無難にミスなく弾いているけれど、あまり表現にこだわらず、楽譜を追っているだけのように聞こえた生徒さんのレッスン中に出てきたアドバイスでした。

「音を出したあと、どうやって指を上げているか気をつけてみてください。」と言うと、途端に指の動きが重くなり「今まで打鍵については注意していたけれど、離し方なんて考えたこともなかった。」と最初は弾きにくそうにしていましたが、しばらくして慣れてくると「音を丁寧に聞くようになった。」と感激して、明らかに演奏も変わってきました。

それから何人もの生徒さんに同じアドバイスをしていますが、効果は絶大です!

指の離し方を意識すると、自ずと次の指運びも今まで以上に意識するようになるので、結果としてすべての音に意識がいくようになり、音量や音色のコントロールに敏感になり丁寧な演奏になります

 

レガートを上手に弾く

 特にレガートを弾く時などは、打鍵と同じぐらい、弾いた後の指の離し方を意識するとなめらかさが格段に良くなります。

レガートが上手にできないときは、次の音を弾いたのと同時に前の指が勢いよく鍵盤から離れている、または少しだけタイミングが速すぎることが原因の場合が多いです。鍵盤から指を離す(上げる)タイミングを少し遅らせるだけで、音のつながりが良くなりレガートらしさがでてきます


休符は音符以上に大切な役割を果たすことも

休符があるときも、その直前の音の指の離し方をしっかり意識してみてください。意外に「なんとなく」指を上げているものです。どのように音を切るかによって、休符の聞こえ方が変わってきます。音楽の中の休符(無音)は、鳴っている音以上に大切な役割を果たすこともあります。

 
練習するときのヒントに役立てていただければ嬉しいです。