前回の「ピアノのペダルは耳で踏む」の中でご紹介した、私がレッスンで使っているドビュッシーの楽譜についての問い合わせを何件かいただきましたのでご案内します。
ピアニストの中井正子さん校訂の「実用版 ドビュッシーピアノ作品全集」です。ピアノ学習者がなるべくドビュッシーの音楽を理解しやすく学べるように校訂を心がけたということで、工夫された指使い、フランス語で記された楽語の日本語訳、そしてドビュッシーの響きを探求するのに欠かせないハーフペダル(半分ぐらいの深さまで踏み込むペダリング)の表記など、細やかな配慮が施された楽譜となっています。
ドビュッシーの楽譜というと、安川加寿子さん校訂の白い本のシリーズ(音楽之友社)が定番で長年多くの学習者に愛用され続けてきました。(もちろん今でも根強い人気を誇り、楽譜屋さんのドビュッシーのセクションには必ず並んでいます!)指使いがこまかく書き込まれていたり、演奏のポイントが書かれていたりと丁寧な校訂で、私も学生時代にはさんざんお世話になりました。
レッスンの際にこちらの楽譜をもとに生徒さんにアドバイスすることも多々あります。特に指使いは、人によって「弾きやすい」「弾きづらい」の感じかたが違いますし、ドビュッシーのように繊細な音楽を演奏するときには特に、指使いひとつで響き方が変わり仕上がりの完成度を左右するので、いろいろな楽譜を見比べ、自分に一番合った指使いを見つけることが大切です。
ドビュッシーを理解するためのおすすめ本
中井正子さんは、ご紹介した楽譜の他にもドビュッシーを演奏する際に参考となる「演奏ハンドブック」を執筆されています。
中井正子さんの本ではありませんが、次の二冊もドビュッシーの音楽を理解するうえで大きな助けとなるおススメ本です。ご興味があったら是非!
ドビュッシーとピアノ曲―天才が名演奏家に直接託した技法と「こころ」の希有な記録
- 作者: マルグリットロン,室淳介
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2005/09/01
- メディア: 単行本
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