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Viva!ピアノライフ

All About ピアノガイド北條聡子のブログ

ピアノで奏でる雨の響き <5>

ギロック:雨の日の噴水

「雨」を表現したピアノ曲、今回ご紹介するのはアメリカの作曲家ウィリアム・ギロック(1917-1993)の『子供のためのアルバム』の第18曲目「雨の日の噴水」。

ギロックは作曲家としてだけでなく優れたピアノ教師でもあり、ピアノを始めたばかりでまだ技術的に難しい曲が弾けない入門・初級レベルでも十分楽しめるような、バラエティに富んだおしゃれな曲をたくさん書いています。

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William Gillock(1917-1993)

『子供のための…』というタイトルがつくと、子供っぽい曲想をイメージしてしまい大人は敬遠してしまいがちですが、ギロックの作品はどれもロマンティックでセンスが良く、時にポピュラー音楽やジャズ的な響きを織り交ぜ、大人の感性をも十分に満足させてくれます。また、それぞれの曲につけられたタイトルも詩的なものが多くイメージが膨らみます。

「雨の日の噴水」は、タイトルからすると噴水が主役のように思えますが、青空に映える噴水でなく、あえて雨の日の噴水にしたところに、ギロックの表現へのこだわりが読み取れるのではと思います。雨の雫と噴水の雫の両方が主役で、そのコラボレーションから生まれた透明感のある風景がそのまま音で表現されたような清々しい曲。

子供の発表会やコンクールなどでも弾かれる機会の多い作品なので、YouTubeにも達者に弾かれた子供たちの演奏がたくさんアップされていますが、たいてい楽譜で指示されているテンポよりずっと速くエネルギッシュに弾かれています。

それはそれで若々しく躍動感に溢れていていいのですが、ここでは、ギロックが指示したゆったり目のテンポで、抒情的に優しい雰囲気で仕上げている牧野由依さんの演奏をご紹介しておきます。

ピアノ:牧野由依