Viva!ピアノライフ

All About ピアノガイド北條聡子のブログ

梅雨時のピアノメンテナンス

今日は梅雨らしく、朝からシトシトよく降った一日でした。これから梅雨明けまでの約一ヶ月はピアノにとっても憂鬱な季節です。

電子ピアノの場合は心配ありませんが、パーツの大部分が木で作られているアコースティックピアノにとって湿気は大敵!私も過去に何回か、梅雨時に鍵盤が下がったまま戻らなくなったり、おかしな響きになり調律師さんに助けを求めた経験があります。

ピアノにとって最適な湿度は55%!梅雨時の湿気によるトラブルを防ぐには、ピアノのそばに湿度計を置き、小まめにチェックしてなるべく55%に近い状態を維持するように心がけることが大切です。

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台所や風呂場がピアノの置いてある場所に近いなど、住環境によって湿度のコントロールが難しい場合もあると思いますが、外出から戻って濡れた洋服で部屋に入らないというような小さな心遣いひとつでも違いは出るのだとか。

ふだん何気なくやっている行動が、実は部屋の湿度をアップさせていたというようなことがあるかもしれません。この時期、ピアノを取り巻く環境について改めて見直してみるのもいいかもしれませんね。

梅雨時のピアノメンテナンスについて、All Aboutに記事をアップしてありますので参考にしてみてください。

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試してみる?「完璧な練習法」

一生懸命練習してレッスンに行ったのに、先生の前で弾くと思ったように弾けず「家ではもう少し上手に弾けたのですが……」と言った経験のある人はたくさんいるはず。私もその一人です!

先日、ピアノ教室を開いている友人が、「家では上手に弾けていたのに」と言うのが口癖だった生徒さんが、教室に置いてあった”ある本”を読んでから一切それを言わなくなった。それだけでなく、以前より間違えずに上手に弾けるようになった、と話してくれました。

そんなスゴイ本って何?訊かないわけにはいきません!

意外なことに、それは難しい専門書などではなくマンガでした。マエストロ・プロフォンドの『すてきにピアノ』(全5巻)の第3巻「完璧な練習法」です。

早速ネットで検索、注文しようと試みましたがどこのサイトも「在庫切れ」で手に入らず。仕方なくAmazonにリクエストを出しておいたところ、先日再版されてようやく送られてきました。

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たった45ページしかない薄いマンガ本ですが、中身は濃くずっしりと心に響く言葉が満載です。

脳研究者曰く、「意識してあることを最低7回繰り返すと記憶として脳に刻まれる」。このことから、新しい曲に取り組み始めた最初の段階から、極力間違わないで弾くことを心がけた練習をしなくてはいけないという考えをベースに、そのノウハウが詳しく紹介されています。

以下の部分を読むと、誰でもギクッとするのではないでしょうか?

多くの人が、練習するということは、次から次へと出てくる間違いを、出てくるたびに直しながら何回も弾くことだと思っているようだけれど、はじめの日は100コしか間違えなかった。次の日は99コ。その次の日は98コになった……など 間違えを減らそうとしながら本当によく学んでいます。が、その間違いも含めて学んでいませんか?

練習している時に間違えて弾いた音は、修正したつもり、忘れたつもりでも記憶のどこかに残っていて、レッスンや発表会で緊張した時に突如現れるというのです。だから、譜読みの段階から間違わないで弾くようにすることが大切ということ。

でも、最初から間違わないで弾くなんてことは本当に可能なのでしょうか?

正直なところ、「どんな曲でも」というとそれは無理だと思います。でも例えば、実際にピアノに向かう前に楽譜だけをじっくり見て、すぐに判読できない音は名前を書いておくとかリズムを確認しておく。また、最初から1ページ弾いてみようとせずに数小節だけの小さなセクションに分けて、片手ずつゆっくり弾いてみるなどすることで、間違えて弾く音の数は激減するはずです。

「譜読みの段階では間違って当たり前!」という考えを改め練習方法を見直すことで、将来ミスを犯す確率が少しでも減るのであれば、マエストロ・プロフォンドの練習法を試してみる価値があるのではないでしょうか?

すてきにピアノ 第3巻

すてきにピアノ 第3巻

 

 

その差って何?100万と1000万円のピアノ

All Aboutに新しい記事をアップしました。一番安いベーシックなグランドピアノと、1000万円を超える上級モデルのグランドピアノの違いはどこにあるのか?ヤマハ銀座店での取材に基づいて書いた記事です。

実際にその2台のピアノを弾き比べた動画も入っていますので、違いがわかるか?わからないか?……是非聴き比べてみてください。

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「音楽の科学」への期待

「音楽の科学」で東大へ 高3ピアニスト 工学部に推薦合格』
これは昨日(3月18日)、読売新聞の地域版(神奈川)に載った記事のタイトル。「音楽の科学」という見慣れない言葉に興味を引かれて記事を読んでみました。最初に私が想像したのは、音が伝わるしくみや周波数云々といった理論尽くしで数字のデータとにらめっこするような内容。でもこの記事で紹介されている「音楽の科学」は、実際に演奏することと深く関わりをもち、将来、ピアノを弾くすべての人に大きな利益をもたらす可能性を秘めた期待すべき内容でした。

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ヤマハ銀座店ピアノ売場を訪れて

All Aboutの取材でヤマハ銀座店に行ってきました。楽譜、楽器ともに国内最大級の品揃えのこちらのお店は、学生の頃からずっとお世話になり馴染みがありますが、ピアノ売場は買う予定もないのに気楽に立ち寄れるフロアではないので、銀座店がリニューアルオープンしてから初めて。エレベーターを降りるとフロア一面、所狭しと美しく光るピアノたちが堂々とした佇まいで並んでいて圧倒されます。全ピアノの弾き比べを許されたら、あっという間に一日が終わってしまいそう!

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